感染性胃腸炎(細菌による)
 感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌が感染することにより発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸炎症状がみられる病気の総称です。細菌ではサルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌が代表的なものです。以下にそれぞれの特徴を解説します。

○サルモネラ
 食中毒の原因では最も多いものです。通年性にみられますが、7月〜9月にかけて多くみられます。
 主な原因は、鶏卵(とくに加熱調理をしていない生卵や半熟卵)と食肉(鶏、豚、牛など)です。また、これらを調理するときに調理器具や手指を介して他の食品に菌が付着してしまうことなどが原因と考えられています。食べた後6〜48時間(多くは約12時間)で症状がでます。食品以外の原因としては、ペットとしてのミドリガメが有名です。
 症状としては、発熱・腹痛・下痢・嘔吐がみられますが、ウイルスによる腸炎よりも腹痛が強くのが特徴です。さらに下痢便に血液が混じるようなことがあれば、これらの細菌による腸炎の可能性が高くなります。
 診断には、血液検査に加えて便培養検査が必要です。便培養検査は結果がでるまで数日かかります。
 治療は、対症療法に加えて抗生剤が必要になる場合があります。感染力はウイルスほど強くはありませんが、感染予防には石けんと流水での手洗いが大切です。
*「サルモネラ感染症」についての詳細は、感染症情報センター(国立感染症研究所)のHPで解説されています。以下をクリックして下さい。
 
サルモネラ感染症
 
 
○カンピロバクター
 食中毒の原因としても重要です。通年性にみられますが、春から秋にかけて多くみられます。主な原因は、鶏肉です。鶏肉を十分に加熱しないで食べたり(鶏わさ、鶏さしみ)、鶏肉を調理するときに調理器具や手指を介して他の食品に菌が付着してしまうことなどが原因と考えられています。食べた後2日から5日で症状がでます。
 症状、診断、治療は、サルモネラと同様です。
*「カンピロバクター感染症」についての詳細は、感染症情報センター(国立感染症研究所)のHPで解説されています。以下をクリックして下さい。
 
カンピロバクター感染症
 
 
○腸管出血性大腸菌O157
 大腸菌は人や家畜の腸内に存在します。ほとんどは無害ですが、いくつかのものは腸炎症状を起こすことがあり病原性大腸菌と呼ばれています。さらに、病原性大腸菌にはいくつかの種類があります。最も重要な病原性大腸菌は、O157を代表とする腸管出血性大腸菌です。
 腸管出血性大腸菌は一部の家畜(牛など)の糞便中に見つかりますが、家畜は症状を出さないことが多いため、外から見ただけでは菌を保有するかどうかは判別困難です。

 感染の原因は、牛肉、牛レバー刺し、牛タタキ、ハンバーグ、ローストビーフ、牛角切りステーキなど生や加熱不足で調理された食品を食べて感染する場合が多くなっています。また、井戸水、生乳、ヨーグルト、レタス、マヨネーズ、貝割れ大根のような生食用の発芽野菜など多くの食品や食材が原因として指摘されています。

 症状としては、感染してもまったく症状がない場合、軽い腹痛と下痢だけですむ場合、さらに激しい下痢と腹痛や血便(血液が混じった便)とともに重症な合併症を起こし、時には死に至る場合まで症状の程度は様々です。しかし、約半数のものは、食べた後おおよそ3日〜8日で、激しい下痢と腹痛に加えて著しい血便がみられます(出血性腸炎といいます)。
 さらに、出血性腸炎のみられる人の6〜7%で、数日から2週間後に溶血性尿毒症症候群や脳症などの重症な合併症を発症するといわれています。これらは子どもと高齢者に起こりやすいので、この年齢の人ではとくに注意が必要です。
 診断は、便培養検査により菌を検出することと重症な合併症の原因であるベロ毒素を産生しているかどうかを検査することが重要です。
 治療は、菌に対する抗生剤や下痢止めは使用しない方が良いとされる薬剤もありますので慎重に行われます。出血性腸炎の場合は、とくに子どもや高齢者は入院治療が必要であり、合併症が起こらないかどうか慎重に経過観察する必要があります。

 感染予防としては、この菌は、75℃、1分間以上の加熱で死滅しますので、食肉も加熱して食べる限り安全です。食肉、レバーなどを生で食べることは控えるとともに、加熱不十分な食肉(牛タタキなど)を乳幼児や高齢者には食べさせないようにしましょう。

*「腸管出血性大腸菌感染症」についての詳細は、感染症情報センター(国立感染症研究所)のHPで解説されています。以下をクリックして下さい。
 
腸管出血性大腸菌感染症
 
 
○腸炎ビブリオ
 夏の時期の魚介類による食中毒の代表です。海水温が一定以上に上昇すると海水中に菌が増えることから腸炎ビブリオ注意報が出されます。概ね7月〜9月の時期には、魚介類を生で食べる時には、真水でよく洗うこと、保存せず早めに食べること、などの注意が必要です。
*「腸炎ビブリオ感染症」についての詳細は、感染症情報センター(国立感染症研究所)のHPで解説されています。以下をクリックして下さい。

○ブドウ球菌
 この菌も気温が高い時期の食中毒の原因となります。夏の時期は、調理したものは、できるだけ早く食べるようにしましょう。
*「ブドウ球菌食中毒」についての詳細は、感染症情報センター(国立感染症研究所)のHPで解説されています。以下をクリックして下さい。
腸炎ビブリオ感染症
 
ブドウ球菌食中毒
 
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